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律桂軍総領事署名文章:中国式現代化の建設と中日関係
2022-12-08 09:46

 1022日、中国共産党第20回全国代表大会が成功裏に閉幕しました。大会では過去5年間および新時代の10年の活動を振り返るとともに、現在と将来の一定期間に関する党と国家の大政方針と青写真を決めました。その中で、これから中国の中心的な任務は、社会主義現代化強国の全面的完成という、2つ目の100年奮闘目標を実現し、中国式現代化によって中華民族の偉大な復興を全面的に推進するということが指摘されました。この中国式現代化には、5つの特徴があります。

 1つ目の特徴は、巨大な人口規模の現代化です。現状の中国は、14億余りの人口規模をもち、資源面や環境面においても大きい制約があります。他国をまねして現代化を進めることはできません。発展の道筋や進め方は、独自の方法でなければなりません。

 2つ目の特徴は、全人民が共に豊かになる「共同富裕」を目指す現代化です。これは、中国の特色ある社会主義の本質的な要請であり、格差の拡大は防がなければなりません。すべての人々がより良い生活を送れるようになることを目指します。この共同富裕は平均主義ではなく、ましてや裕福な人の財産を奪い取って貧困層を救済することでもありません。また、この共同富裕は長い歴史のプロセスで実現されるものであり、容易に達成できるものではありません。それでも私たちは、これまで強い意志を持ち続けながら、目標に向かって邁進した結果、この10年で1億人近い貧困層すべてを、貧困から脱却させました。これは、共同富裕の好事例といえるでしょう。

 3つ目の特徴は、物質文明と精神文明のバランスがとれた現代化です。一部の国で進められた現代化には、行き過ぎた物質主義の膨張という弊害がありました。私たちが求めるのは、物質的にも精神的にも豊かな、人間の全面的な成長です。

 4つ目の特徴は、人と自然が共生する、調和がとれた現代化です。現代世界史をみると、工業化や都市化のなかで、生態環境が破壊されるという共通の弊害がありました。私たちも回り道をしましたが、2012年第18回全国代表大会以来、生態環境破壊の勢いを食い止めてきました。今後とも、持続可能な発展の道を着実に進んでいきます。

 5つ目の特徴は、平和的発展の道を歩む現代化です。我々は、戦争、植民、略奪などの手段で現代化を実現したかつての一部の国の道を歩みません。私たちは、平和、発展、協力、Win-Winを旗印とします。これは私たちの制度と文化によって決定づけられたものであります。平和的発展の道を歩むことは、中国の根本的利益にかなうことで、私たちは今後もこの道に沿って歩み続けます。私たちは、他の国々にも、この平和的発展の道を歩んでほしいと思っています。

 社会主義現代化強国の全面的完成に向けた戦略構想は、全体で二段階に分かれています。2020年から2035年までに社会主義現代化を基本的に実現し、2035年から今世紀半ばまでに中国を富強・民主・文明・調和の美しい社会主義現代化強国に築き上げる、ということです。

 大会の報告では、今後5年ないし、より遠い未来の発展について、計画と配置が示されています。いくつか重点措置を紹介ます。

 1、新たな発展のかたちの構築を加速することです。内需拡大を堅持する。供給側の構造改革を深化させる。全国統一の大市場建設を加速する。さまざまな生産要素を滞りなく流動させる。現代化産業体系を整備する。産業チェーン・サプライチェーンの強靭性と安全性を強化する。グローバル・バリューチェーンに深く関与する。内外循環の相互促進を形成する。以上をもって新たな発展のかたちを構築していきます。

 2、イノベーション主導型発展戦略を堅持し、イノベーションに原動力を求めていきます。新たな挙国体制を整え、国の戦略的科学技術力を強化し、イノベーションによって実体経済の質と効率を向上させます。

 3、ハイレベルの社会主義市場経済体制を構築し、改革によって、活力を見出していきます。資源配分において市場が決定的な役割を十分に果たせるように、政府の役割をより良く発揮します。

 4、農村振興の推進です。都市と農村の融合した発展に重点を置き、都市―農村間の要素の流動を円滑にすることで、農業・農村の現代化を促します。

 5、地域間の調和発展を促進することです。地域間の調和と発展に係る重要戦略の実施により、先進地域と後進地域、東部・中部・西部地区と東北地区が互いに補完し合い、共に発展するよう推進していきます。

 6、ハイレベルの対外開放の推進です。超大市場規模の優位性をよりどころとし、質の高い発展と、国際循環の質とレベルの向上に努めます。制度型開放を着実に進め、開放型の経済システムを整備していきます。

 7、発展パターンのグリーン化を加速させることです。産業構造、エネルギー構造、交通運輸構造などの調整・最適化推進を加速させます。グリーン発展に資する財政・租税、金融、投資、価格関連政策と基準体系を整え、グリーン・低炭素産業を発展させます。資源・環境要素の市場化配分体系を整備し、省エネ・炭素排出削減先進技術の研究開発と普及・応用を急ぐとともに、グリーン消費を呼びかけ、グリーンで低炭素な生産方式と生活様式の形成を推し進めます。二酸化炭素排出量のピークアウトとカーボンニュートラルを積極的かつ穏当に推進します。生態系の二酸化炭素吸収能力を高めます。国際的な気候変動対策に積極的に参与します。

 8、独立自主の平和外交政策を揺るぎなく実施し、事柄自体の是非に基づいて自国の立場や政策を定め、国際関係の基本原則を守り、国際的な公平・正義を守ります。

 9、中国はあくまでも平和共存五原則を踏まえて各国との友好協力を発展させ、新型国際関係の構築を推進し、平等・開放・協力に基づくグローバル・パートナーシップを深化させ、拡大し、各国との共通の利益が増えるよう努力します。

 10、中国はグローバル・ガバナンス体系の改革と構築に積極的に参加します。共に協議し、共に建設し、共に享受するというグローバル・ガバナンス観を実践し、真の多国間主義を堅持し、国際関係の民主化を推進することで、グローバル・ガバナンスのより公正で合理的な方向への発展を促していきます。

 11、人類運命共同体の構築を推進していきます。中国はグローバル発展イニシアティブとグローバル・セキュリティ・イニシアティブを提起し、国際社会とともにその実行に努めていきたいと考えています。中国は、◇対話・協議を堅持し、恒久的に平和な世界の構築を推進します。◇共同建設・共同享受を堅持し、普遍的に安全な世界の構築を推進します。◇協力・Win-Winを堅持し、共同繁栄する世界の構築を推進します。◇交流・学び合いを堅持し、開放的かつ包摂的な世界の構築を推進します。◇グリーン・低炭素を堅持し、クリーンで美しい世界の構築を推進します。

中日関係にとって、大会の報告で示された計画とアレンジは、世界の平和と発展、そして中日友好協力関係の発展にとって重要なチャンスです。

第1に、中国は世界の平和と安定にとってのプラス要素を増やし、中日友好協力発展に新たな原動力を注ぎます。中国は終始一貫して世界平和を維持し、共同発展を促す外交政策と指針を堅持し、人類運命共同体を築きあげます。親睦・誠実・互恵・包摂および善隣友好を旨とする周辺外交の方針を堅持し、周辺諸国との友好・相互信頼関係、利益の融合を深化させます。これらの政策の公示を通じて、中国式現代化の建設と中華民族の偉大なる復興は、世界平和と安定の要素そのものだと示されています。同時に、中国が地域と世界の平和・安定にさらなる貢献をし、中日友好協力関係の発展にも、戦略的な利益をもたらすことを示しています。

今年は中日国交正常化50周年です。50年来、両国は利益の共同体、発展の共同体になっています。最近、習近平国家主席と岸田文雄首相は、電話会談を行い、祝電を交わしました。習主席は祝電で、「私は中日関係の発展を非常に重視しており、岸田首相とともに、国交正常化50周年を契機に、双方が潮流と大勢に順応し、新しい時代の要請にふさわしい中日関係の構築に共に尽力するよう導いていきたい」と強調しました。両首脳は、改めて新時代の中日関係の構築という重要なコンセンサスを確認しました。中国は、日本とともに両首脳が達成した重要なコンセンサスを実行に移し、中日友好協力を促進し、新時代の中日関係を築き、アジア運命共同体と人類運命共同体の構築にさらに力を入れます。

第2に、中国は日本を含む世界各国に共同発展、共同繁栄のチャンスを提供します。我々は国内大循環と国際大循環という2つの循環をスムーズにし、発展における内部の成長力と外部の活力を促します。双循環というのは、決して閉鎖的な循環ではなく、ハイレベルの対外開放の基礎の上に構築された国内外の双循環を指しています。当面の厳しい国際情勢のもとでも、日本を含む海外投資家は、依然として中国市場に期待を寄せ、引き続き投資を拡大しています。今年の1月~9月の9カ月間における中国の外資導入額(実行ベース)は、前年同期比で18.9%増加しました。そのうち、ハイテク製造業への投資額は48.6%の伸びになっています。

第3に、中国は日本を含む世界各国に、中国の大市場のチャンスを共有します。全国統一の大市場の建設を加速し、内需拡大戦略を推進します。積極的な財政政策と穏健な金融政策を継続的に実施します。また、インフラ投資を適度に先行させます。金融機関が実体経済、とくに小規模企業、零細企業、科学イノベーション、グリーン発展への支持を増やします。知的財産権の保護を強化し、企業の成長を促す良い競争環境をつくり上げます。中国の人口14億人のうち4億人余りが中間層になっています。今や中国は、全世界が注目する超大消費市場に成長しました。全国統一の大市場建設のプロセスにおいて、中国は日本をはじめとする世界各国に、必ずや巨大市場を提供し続けることができます。

第4に、中国は日本を含む世界各国に、中国の制度型開放のチャンスを共有します。習主席は、第5回中国国際輸入博覧会の開幕式において、「我々は開放によって発展が直面する困難を和らげ、開放によって協力する力を結集し、開放によって革新の勢いを凝集し、開放によって共有する幸福を目指し、経済グローバル化が絶えず前進するよう後押しする」と強調しました。我々はハイレベルの対外開放、制度型開放を着実に拡大し、規則・規制・管理・標準など制度的な開放を推し進めます。外資企業の優遇措置を実行し、より多くのグローバル企業による投資を誘致し、大型外資プロジェクトを一層促進していきます。大会閉会後、外資系企業の投資に対する優遇政策が次々に打ち出され、継続的なビジネス環境の最適化、外資系企業による投資促進とサービスの全面的な強化措置を発表しました。これらの政策によって、外資企業による投資奨励の分野を拡大し、先進的製造業、現代型サービス業、ハイテクノロジー、省エネルギー・環境保全、中西部と東北地区への投資もより大きな政策支持が得られました。一連の政策の相乗効果で、在中国日本企業に、より大きな成長の空間をつくり出していきます。

第5に、中国は日本を含む世界各国に国際協力を深めるチャンスを共有します。中日双方とほかの国の努力のもと、世界最大規模の自由貿易圏のRCEPが年初に発効し、順調に進められています。中国は、WTOの組織改革の交渉に全面的に参与し、貿易と投資の自由化・便利化を進め、国際マクロ経済政策の協調を促し、世界発展に大きく貢献します。また、CPTPPとDEPAに積極に加入し、世界向けの高い基準の自由貿易ネットワークを拡大します。

九州・沖縄は古くから中日協力の最前線にあり、中国との交流・協力関係には深いものがあります。中日国交正常化以降の50年、九州と中国の交流協力は、多くの成果を収めました。中国は日本の、そして九州の最大の貿易相手国となり、主要な投資目的地にもなっています。新時代に向けて、九州と中国地方の協力は巨大な潜在力をもっています。九州各界の皆さんには、中国発展と中日関係を客観的にとらえ、次の50年を見据えて、新時代の中日関係の構築に貢献していただくことを期待しております。

原文はこちらからhttps://www.data-max.co.jp/article/60776

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